ノルウェーには中世から現代までの歩みが記録された、ノルウェー民俗博物館という施設があります。
当時の農民の生活様式を再現した木造家屋、工芸品や民族衣装まで、その展示品は多岐に渡ります。
そこで今回はおよそ600年間のノルウェーの歴史、文化が集まるノルウェー民俗博物館について紹介していきます。
ノルウェー民俗博物館の特徴

ノルウェー民俗博物館は、15世紀の中世〜現代までおよそ600年間のノルウェーの歴史や文化が展示された博物館です。
ノルウェーの歴史を継承する建築物や文化財、当時の人々の暮らしをテーマとしたこの画期的な博物館は、1898年に歴史家のHans Aall氏が建築しました。
博物館はノルウェーの首都オスロ西部のビグドイ半島にあり、14haという広大な敷地面積を誇ります。
14haというと博物館としては少し広すぎると感じますが、実はノルウェー民俗博物館には通常の屋内展示場のほか、ノルウェー最大の野外展示スペースもあります。
詳しくは後述しますが、敷地内にはノルウェー伝統の木造家屋も集まり、空間全体で昔のノルウェーを再現しているのです。
中世~現代までの文化財を展示
ノルウェー民俗博物館ではノルウェーが歩んできた歴史を物語る、多種多様な展示物を見学できます。
織物に家具、農具に至るまで、当時のノルウェーの農民が使用していた品々が展示されています。
また、民族衣装を着たスタッフが案内役を務めているのも独特です。

彼女たちが着ているのはブーナッド(Bunad)と呼ばれる、ノルウェー伝統の衣装です。
ブーナッドは生地に美しい刺繍が施され、地域ごとに模様が異なっているのが特徴です。
さらに夏には、民族衣装を身にまとった人々によるフォークダンスなどのイベントも開催されます。
他にも工芸品制作の実演なども行われ、当時のノルウェーの生活ぶりを肌で体験できるとのこと。
150棟の木造家屋が展示された野外博物館

ノルウェー民俗博物館には、規模としてはノルウェー最大級の屋外展示スペースも設けられています。
そして敷地内には、ノルウェーの過去600年間に作られた建築物が展示されています。
荘厳な教会から素朴な木造家屋まで、その種類は多種多様。建物は全てノルウェー各地から実際に移転させたもので、その数は150軒以上にのぼります。
外観はもちろん、内装も当時の暮らしぶりが伝わるほど本格的なのだとか。

農場や仕事場、家族が集まるリビングなど、ノルウェーの農民が普段どんな暮らしをしていたのかを学ぶのにも最適とされています。
13世紀建築のスターヴ教会が有名

野外博物館には数多くの歴史的建造物が置かれていますが、中でも有名なのがスターヴ教会です。
スターヴ教会は、北欧でヴァイキングが活動していた1200年頃に建築された木造教会です。
スターヴ教会は全盛期には1000棟以上も存在していましたが、21世紀現在、現存している教会はわずか28棟のみとなります。
その中の1つをノルウェー民俗博物館が所有しており、博物館の目玉とも言えるスポットとなっています。
また、スターヴ教会に関しては以下の記事でも紹介しています。

まとめ
ノルウェー最大規模の野外博物館という側面も持つ、ノルウェー民俗博物館。園内には中世から現代までのノルウェーの歴史・文化財が展示されています。
また、博物館があるビグドイ半島は、ノルウェーでも博物館が集中しているエリアとして知られます。
このノルウェー民俗博物館のほか、ノルウェー海洋博物館やバイキング船博物館など有名な博物館も近場にあるので、是非そちらもチェックしてみてください。