【クッブ】ヴァイキングが生んだゴットランド島発祥のスポーツ
スウェーデンのバルト海に浮かぶゴットランド島は、中世の時代にヴァイキングに支配されていました。
そして彼らが生み出したと言われるスポーツが、クッブです。
クッブはドッジボールに似たシンプルなゲームであり、腕力や能力に関係なく誰でも楽しめます。
そこで今回は、スウェーデン・ゴットランド島発祥のクッブを取り上げ、その特徴や具体的なルールについて紹介していきたいと思います。
クッブとは?
スウェーデンのバルト海沖に位置するゴットランド島は、中世の面影を随所で感じられるヴィスビューなどの都市があり、同国最大の離島として知られています。
そして、ゴットランド島で誕生したスポーツがクッブで、現在では北欧だけでなくアメリカや日本でもプレイされています。
「クッブ(Kubb)」とは、スウェーデン語で「薪」を意味する言葉で、暖房がまだ無かった暖炉に薪をくべていた時代に考案された遊びです。
クッブが誕生した詳しい時期は不明ですが、海賊のヴァイキングたちがゴットランド島を支配していた中世の頃という説が有力とされています。
薪を意味するクッブは、その遊び方も木材を使ったシンプルな内容です。
各6人・2チーム対抗の的当て&陣取りゲームで、相手陣地にある5本の木材に向けて各チーム一人一本ずつ木の棒を投げて倒していきます。
そして相手陣地の木材を全て倒した後、コート中央のキングと呼ばれる木材を先に倒したチームの勝利となります。
ルールはボウリングに近いと言えますが、特別な運動神経やセンスは必要ありません。老若男女問わず誰でも参加できるスポーツとして幅広く親しまれています。
クッブの生まれ故郷であるゴットランド島では1995年から「クッブ世界選手権」が開催され、世界中からクッブ愛好家が集まります。
https://hokuou-info.com/2022/06/12/gotland/クッブの基本的なルール
先述した通り、クッブは的当てと陣取りが合わさったスポーツです。
クッブは2チーム対抗で、各チームは6人ずつで構成されます。クッブを行う際には特別な場所は必要なく、近くの公園などで十分です。
試合はドッジボールで使うような8m×5mのコートで行われ、コートの中央にはセンターラインがあり、両端にはベースライン(エンドライン)を引きます。
そして両サイドのベースライン上に、各チーム5本ずつベースクッブという木材を等間隔で並べます。また、中央のセンターラインにはキングという木材を1本置きます。
その後両チームで先攻or後攻を決め、先攻チームから一人一本ずつ順番にカストピンナと呼ばれる投擲用の木の棒を、相手側の陣地に立つ5本の木材に向かって投げていきます。
木の棒を投げる際は必ず下手投げで、ベースライン後方から投擲します。6回投げ終えたら後攻チームに交代し、これを繰り返していきます。
そして相手コートのベースクッブ5本全てを倒したチームから、センターライン上のキングの木材を狙うことができます。最終的にコート中央のキングの木材を倒したチームがその試合の勝者となります。
試合の進め方
ここではクッブのもう少し細かいルールについて説明します。
クッブの試合では、5本のベースクッブに中央のキングの他、フィールドクッブと呼ばれるものもあります。
試合中に自陣側のベースクッブが相手に倒された際には、そのクッブを相手陣地に投げ入れて、着地場所で立てなければいけません。この相手コートに投げ入れたクッブをフィールドクッブと言います。
そして、このフィールドクッブを全て倒さない限り、相手陣地のベースクッブには攻撃できなくなります。さらに相手チームの攻撃の際にはフィールドクッブの場所まで前進して、そこから攻撃できるようになります。
このようにフィールドクッブは早い段階で倒さないとどんどん不利になる存在であり、勝利を目指す際にも大きなポイントとなります。
その他のルールとして、木の棒を投げる順番は攻撃回ごとに変更可能です。また、クッブは基本的には1チーム6人制ですが、チームの人数は2人から10人まで調節できます。
試合中も注意点があり、相手のベースクッブを全て倒し切る前に中央のキングを攻撃してしまうと、その時点でチームは失格となります。
さらに、クッブはなかなか決着がつかない場合もあり、公式大会では20分から30分の時間制限が設けられることもあります。その際は、試合終了時点で自陣コートに残っているベースクッブが多いチームが勝利となります。
まとめ
クッブはスウェーデン沖のゴットランド島発祥のスポーツで、中世の試合にヴァイキングたちが考案しました。
両チームが相手コートに並ぶ5本の木材を木の棒を投げて倒していき、最終的に中央のキングを倒した方のチームが勝利という、ルールもわかりやすい内容となっています。
サッカーや野球のように広い敷地は必要なく、道具さえ揃えば近くの公園で気軽に始められるのも魅力です。