こんにちは、伊東琢哉です。
日本でもお弁当のおかずとして高い人気を誇る、ミートボール。
甘いタレがご飯とも相性抜群なミートボールは、子供はもちろん大人でもファンは多いはずです。
実はミートボールは、スウェーデンでも代表的な国民食の1つとされています。
日本と違うのは、向こうではリンゴンベリージャムやクリームソースをかけて食べるのが一般的となっています。
今回は北欧の厳しい冬を乗り切るための国民食、スウェーデン風ミートボールの特徴についてご紹介します。
ミートボールはスウェーデンの家庭の味

ミートボールはスウェーデンでは「köttbullar(ショットブッラル)」と呼ばれています。
日本でいう肉じゃがのように、スウェーデンを代表する家庭料理として広く親しまれています。
スウェーデンではミートボールは冷凍食品としても販売され、日本と同じく、子供のお弁当のおかずとしても大活躍の料理なのです。
スウェーデン風ミートボールの作り方は日本風ミートボールと同様に、牛肉や豚肉の挽肉に卵や玉ねぎ、パン粉、そしてスパイスも少量混ぜて丸く形を整え、バターを引いたフライパンで調理します。
挽肉でタネを作るところまでは同じですが、スウェーデンのミートボールはソースや盛り付けが日本とは少し異なります。
日本ではミートボールのソースといえばトマトケチャップ、あるいは醤油と片栗粉のとろりとした中華餡が有名ですよね。

一方でスウェーデンの場合はフライパンの上に残った肉汁に生クリームを加えて作る、クリーミーなホワイトソースをかけるのが一般的な組み合わせなのです。
また、スウェーデンでは付け合わせとして、マッシュポテトも定番です。
北欧ではじゃがいもは収穫量が多く保存も効くとあって、冬を乗り切るための保存食として昔から主食のように食べられてきた野菜の1つです。
そのためスウェーデンでは、付け合わせの野菜といえばじゃがいもが代表格なのです。
リンゴンベリージャムとは?

さらに、スウェーデンではクリームソースやじゃがいもと並んで、リンゴンベリージャムもミートボールを食べる際には必要不可欠となっています。
リンゴンベリーとは日本ではコケモモと呼ばれる、綺麗な赤い果実が特徴のベリー類の1つです。
リンゴンベリーは極寒地でも育つほど耐寒性が強いのが特徴です。
さらにスウェーデンをはじめ北欧諸国や北ヨーロッパなど寒冷な地域では、リンゴンベリーは伝統的な食材としてジャムやジュース、肉料理の付け合わせとして使われてきました。
リンゴンベリーはポリフェノールやビタミンを豊富に含むなど、スーパーフードとして注目されるほど栄養価も高い食材です。
また、味わいもさっぱりとした甘酸っぱさがあるそうです。
ミートボールとリンゴンベリージャムの相性も良く、甘酸っぱいジャムが肉の脂っこさを中和してくれるそうです。
日本では肉料理にジャムはあまり馴染みないかもしれませんが、北欧を初め盛んに肉料理を食べる欧米では、ジャムは付け合わせとしては一般的なのです。
ミートボールのお供に欠かせないリンゴンベリーについては、こちらの記事も読んでみてください。

ミートボールは18世紀にトルコから伝わった

ミートボールはスウェーデンの国民食とされるほど代表的な料理ではありますが、元々は18世紀にトルコ、当時のオスマン帝国からスウェーデンに伝わった料理という説が有力です。
300年ほど遡った1715年、当時のスウェーデンの国王だったカール12世が遠征先のオスマン帝国から持ち帰った料理が、現在のミートボールの起源なのです。
カール12世がオスマン帝国で出会ってその料理というのは、現在でも伝統的なトルコ料理として食べられている「キョフテ」という肉料理です。
牛肉やラム肉の挽肉をスパイスや玉ねぎと一緒に捏ねて加熱した、いわゆるこちらで言うところのハンバーグに近いかもしれません。
ちなみに、このトルコ料理キョフテがスウェーデンミートボールの起源だという説は、2018年4月のスウェーデン政府公式Twitterでも公表されました。
当のスウェーデン人にとってもこの事実は衝撃的だったようで、当時は相当な反響を呼んだそうです。
まとめ

スウェーデンを代表する国民食であるミートボール。リンゴンベリージャムとホワイトソースにつけて食べる、日本とは少し違う味わい方なのも面白いですね。
日本で展開しているイケアでもスウェーデンのミートボールは購入することができます。
気になった方は是非手に取って、日本のミートボールと食べ比べをしてみるのも良いかもしれませんね。
