【スウェーデン語文法#32】未来形の表現

スウェーデン語には未来のことを表現する手段はいくつかあり、助動詞「ska」「kommer att」を使うほか、副詞を用いることで現在形でも未来を伝えることが可能です。
つまり、状況に応じて複数の言い方を使い分けることが求められます。
このレッスンでは、スウェーデン語の未来形について、表現方法の使い分けや語順のルール、ニュアンスなどを詳しく解説していきます。
1. スウェーデン語の未来表現はどう作る?
スウェーデン語では、未来を表す際に以下の3つの形を状況によって使い分けます。
- ska + 動詞の原形:話し手の意志や計画、決まっている予定
- kommer att + 動詞の原形:外的な要因や客観的な未来の出来事
- 現在形 + 時を表す副詞句:文脈で未来とわかる場合
これらを正しく使い分けるには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
2. 助動詞 ska:意志・予定・約束を表す
ska はスウェーデン語で日常的に使われる未来表現の助動詞です。
話し手の意志や、自分の行動についての計画、または人と交わした約束などを表す際に使います。
また、ska は話し手の主観的判断や意志に基づいて未来を表すため、他人の行動や外的要因にはあまり使いません。
【基本構文】主語 + ska + 動詞の原形
- Jag ska träffa Anna i kväll.
(私は今夜アンナに会う予定です) - Vi ska resa till Norge nästa vecka.
(私たちは来週ノルウェーに旅行する予定です) - Ska du jobba i morgon?
(明日働く予定ですか?)
助動詞 ska を使う未来形は、英語の “going to” に近いニュアンスがあります。
一方で ska の使い方は予定だけでなく、「しなければならない」という義務的な意味にもなることがあります。こちらは英語の “shall” に近い使い方です。
3. kommer att:客観的な未来や予測を表す
「kommer att + 動詞の原形」による未来形は、未来の出来事について、話し手が客観的に判断している場合や高い確率でそうなると見込まれる状況で使います。
英語の “will” に近い表現ですが、ska に比べて「自然の流れ」や「外的要因」による未来に使われる傾向があります。
【基本構文】主語 + kommer att + 動詞の原形
- Det kommer att regna i morgon.
(明日は雨が降るでしょう) - Hon kommer att vinna tävlingen.
(彼女はその大会に勝つでしょう) - Kommer det att bli kallt i kväll?
(今夜は寒くなりますか?)
kommer att は自然現象や客観的な予測など、主語の意志とは関係なく未来に起こると考えられる出来事に適しています。
例えば、ニュースやレポート、報道などで kommer att の未来表現が使われます。
4. 現在形を使って未来を表す方法
スウェーデン語では、文脈が未来であると明らかであれば、現在形を使って未来を表現することも可能です。この使い方は英語とも共通しています。
- Jag åker till Göteborg i morgon.
(私は明日イェーテボリに行きます) - Kursen börjar nästa måndag.
(授業は来週の月曜日に始まります) - Vi ses i kväll!
(また今夜会いましょう!)
未来の意味を表すには、i morgon(明日)や nästa vecka(来週)などの時間表現を明確に入れることが重要です。
5. 疑問文/否定文における語順
スウェーデン語の平叙文の語順は、未来形でも基本的には通常のSVO(主語 + 動詞 + 目的語)構造を保ちます。
ただし、疑問文や否定文では助動詞(ska / kommer)の位置関係に注意が必要です。
5-1. 疑問文の語順(ska / kommer att)
- Ska du åka i morgon?
(明日出発するの?) - Kommer ni att vara hemma?
(あなたたちは家にいる予定ですか?)
両者とも疑問文では、助動詞を文頭に移動する倒置構文が基本となります。
5-2. 否定文の語順
- Jag ska inte gå dit.
(私はそこへ行かないつもりです) - Det kommer inte att fungera.
(それはうまくいかないでしょう)
否定語 inte は、両者とも助動詞 ska, kommer のすぐ後ろに置かれます。
6. ska と kommer att の違い
ska と kommer att はどちらも「未来のことが起こる」という点では共通していますが、以下のように意味の焦点やニュアンスが異なります。
比較項目 | ska | kommer att |
---|---|---|
主な意味 | 意志・予定・個人的な決定 | 予測・客観的な未来 |
話し手の関与 | 強い(話し手の意志や判断) | 弱い(自然な流れ・第三者的視点) |
使われる文脈 | 予定の共有、カジュアルな会話 | ニュース、客観的な報告、論理的説明 |
例文 | Jag ska plugga i kväll.(今夜勉強する) | Det kommer att regna.(雨が降るでしょう) |
つまり、「意志的にやる」→ ska、「勝手に起こる」→ kommer att という感覚で使い分けると覚えやすいです。
7. まとめ
- スウェーデン語では、未来形は主に「ska」「kommer att」「現在形(文脈)」の3つで表現されます。
- ska は意志や予定など主観的な未来に、kommer att は予測や自然な未来に適しています。
- 現在形でも、明確な未来を表す副詞(i morgon など)があれば未来の意味になります。
- 文法的な語順ルール(疑問文・否定文)にも注意が必要です。