初中級

【スウェーデン語文法#31】過去形・現在完了形・過去完了形の違い

image
春乃
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

スウェーデン語には、「過去形」「現在完了形」「過去完了形」の3つの基本的な過去時制があります。

どれも「過去に起きたこと」を表しますが、その出来事が現在や他の出来事とどのように関係しているかによって使い分けが必要です。

このレッスンでは、それぞれの文法の違いと使い方を例文とともに解説します。

1. 基本の使い分け:時制の全体像をつかむ

スウェーデン語の時制の中で、「過去」を表すときに選ぶのが以下の3種類です。

時制構成用法例文
過去形動詞の過去形単に過去の出来事を述べるJag åt middag.
(夕食を食べた)
現在完了形har + 完了分詞過去の出来事が現在と関係するJag har ätit middag.
(夕食を食べた[今はお腹いっぱい])
過去完了形hade + 完了分詞過去のある時点よりも前の出来事を述べるJag hade ätit innan han kom.
(彼が来る前に食べていた)

どれも「過去の出来事」を語るために使いますが、いつ起きたのか、今とどう関係しているのかによって使い分ける必要があります。

2. 過去形:過去の事実をそのまま語る

過去形は、明確な過去のある時点で起きた出来事や状態を表すときに使います。

「昨日」「先週」「5年前」など、はっきりとした過去の時間を示す表現と一緒に使うことが多いです。

  • Jag åkte till Stockholm i somras.
    (私はこの夏、ストックホルムへ行きました)
  • Hon bodde i Uppsala för några år sedan.
    (彼女は数年前、ウプサラに住んでいました)
  • Vi åt middag klockan sju.
    (私たちは7時に夕食を食べました)

過去形は単なる過去の記述であり、現在とのつながりはないのが「現在完了形」との違いです。

過去形については、以下のレッスンでより詳しく解説しています。

RECOMMEND
【スウェーデン語文法#26】過去形の基本
【スウェーデン語文法#26】過去形の基本

3. 現在完了形:過去と現在をつなぐ表現

現在完了形は、過去の出来事が現在の状況と何らかの関係をもつときに使います。

「すでに」「まだ」「ちょうど」などの副詞を伴って、過去に起きたことの結果や経験が、今に影響しているというニュアンスを伝えます。

  • Jag har ätit.
    (私は食べました → 現在ではもう食べ終えている)
  • Har du varit i Sverige?
    (スウェーデンに行ったことがありますか?)
  • Vi har bott här i tio år.
    (私たちはここに10年住んでいます)

このように現在完了形は、「始点や終点がはっきりしない過去」や「今とつながる過去」に対して使います。

現在完了形の詳しい文法や使い方は、以下のレッスンで解説しています。

RECOMMEND
【スウェーデン語文法#29】現在完了形(har + 完了分詞)
【スウェーデン語文法#29】現在完了形(har + 完了分詞)

4. 過去完了形:過去のある時点より前のことを表現

過去完了形は、2つ以上の過去の出来事がある場合に、より前に起きていた方の出来事を表すために使います。

日本語では「〜していた」「〜した後で」と訳されることが多いです。

  • Jag hade gått hem innan det började regna.
    (雨が降り出す前に帰宅していました)
  • När vi kom, hade hon redan ätit.
    (私たちが来たとき、彼女はすでに食事を終えていました)

過去完了形を使えば、「過去+さらに前の過去」をきれいに区別できます。そのため、過去の出来事を時系列で表現するときに非常に便利です。

過去完了形についてさらに学びたい人は、以下の記事もご覧ください。

RECOMMEND
【スウェーデン語文法#30】過去完了形(hade + 完了分詞)
【スウェーデン語文法#30】過去完了形(hade + 完了分詞)

5. 時制の使い分けを比較

äta(食べる) の使い分け

時制日本語訳用法の違い
過去形Jag åt.食べた時間が明確な過去
現在完了形Jag har ätit.食べた
(今はお腹いっぱい)
今の状況とつながっている
過去完了形Jag hade ätit.食べ終わっていた
(何かより前に)
別の過去よりも前に起きたこと

このように、すべて「食べた」という過去の行為を表していますが、「現在や他の出来事との関係」によって、使う時制が変わってきます。

もう一つの例:旅行に行った場面

用法例文ニュアンス
過去形Jag reste till Norge förra året.
(昨年、ノルウェーへ旅行しました)
去年、旅行したという事実を述べている。
現在完了形Jag har rest till Norge flera gånger.
(ノルウェーに何度も旅行したことがあります)
これまで何度も行ったという経験を述べている。
過去完了形Jag hade rest till Norge innan pandemin började.
(パンデミックが始まる前に、ノルウェーへ旅行に行きました)
パンデミックが始まる前に行っていたという時系列の表現。

6. まとめ

  • スウェーデン語の3つの過去表現:過去形/現在完了形/過去完了形
  • 過去形:単なる過去を述べます。時間がはっきりしているときに使います。
  • 現在完了形:今と関係があるときに使います(経験・完了・継続)。
  • 過去完了形:2つの過去を比べ、順序を示すときに使います。
  • 完了形を構成する「完了分詞」の活用も併せて覚えておくと理解が深まります。

ABOUT ME
Haruno
Haruno
管理人
「NAVIA(ナヴィア) | 北欧情報サイト」を運営している Haruno です。当サイトでは、北欧の文化、言葉、ライフスタイルに関する情報を発信しています。北欧に興味がある方はもちろん、これからその魅力を知りたいと思っている方もぜひご覧ください。
記事URLをコピーしました