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【スウェーデン語文法#18】法助動詞の基本:kan, vill, måste などの使い方

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春乃
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スウェーデン語で「〜できる」「〜したい」「〜しなければならない」といった表現をするときには、法助動詞(助動詞)を使います。

これは、主動詞の前に置かれて、話し手の能力・意思・義務・許可などを示す特別な動詞です。

英語の can, want to, must によく似た使い方ですが、スウェーデン語ならではの特徴や語順のルールもあります。

このレッスンでは、法助動詞の基本的な意味、語順のルール、そして代表的な6つの助動詞の詳しい使い方を学んでいきます。

1. 法助動詞とは?

法助動詞(助動詞)とは、「話し手の判断や気持ちを動詞に加える」ための補助動詞です。

具体的には次のような意味を表します:

  • 可能性・能力(〜できる):kan
  • 意志・希望(〜したい):vill
  • 義務・必要性(〜しなければならない):måste
  • 推量・許可・助言:får, bör, ska, etc.

このように、自分の能力(〜できる)、希望(〜したい)、義務(〜しなければならない)などを表す際に使われます。

助動詞を使う際のポイントは以下の2つです:

  1. 助動詞のあとには、必ず動詞の原形(不定形)が続く
  2. 動詞の意味だけでなく、文のニュアンスを変えることができる

たとえば、以下の例文を見てみましょう。

  • Jag kan prata svenska.(私はスウェーデン語を話すことができます)
  • Hon vill läsa en bok.(彼女は本を読みたいです)
  • Vi måste gå nu.(私たちはもう行かなくてはなりません)

それぞれの文で、助動詞の「kan / vill / måste」が主動詞の意味に判断や意志を加えているのが分かります。

2. 語順と使い方の基本ルール

スウェーデン語の法助動詞は、非常にシンプルな語順で使われます。

主語 + 法助動詞 + 動詞の原形

  • Du ska komma.(あなたは来るつもりです)
  • Jag måste arbeta.(私は働かないといけません)
  • De kan simma.(彼らは泳げます)

ここでの「ska」「måste」「kan」が法助動詞です。続く「komma」「arbeta」「simma」は、それぞれ原形の動詞になります。

英語と違って「to」などの前置詞は不要で、すぐに動詞の原形を続ければOKです。これはスウェーデン語学習者にとって大きな利点です。

3. 代表的な法助動詞とその使い分け

ここでは、日常的によく使われる6つの法助動詞の意味と使い分けを、順に詳しく見ていきます。

3-1. kan(カン):〜できる・能力がある

「kan」は、話し手が何かをする能力がある、または可能であることを表します。

  • Jag kan köra bil.(私は車を運転できます)
  • Kan du simma?(あなたは泳げますか?)
  • Han kan tala engelska.(彼は英語を話せます)

英語の “can” に対応する助動詞です。身体的・知識的な能力や、状況的に可能かどうかを表現する際に使います。

3-2. vill(ヴィル):〜したい・意志

「vill」は、自分の希望や意志を表す助動詞です。英語の “want to” に相当します。

  • Jag vill resa till Sverige.(私はスウェーデンに旅行したい)
  • Vill du äta middag?(夕食を食べたいですか?)
  • Barnet vill leka.(その子どもは遊びたがっています)

「~したい」という、自分の意志・願望を表すときによく使います。

3-3. måste(モステ):〜しなければならない

「måste」は、義務や必要性を表す助動詞です。英語の “must” や “have to” に近い意味になります。

  • Jag måste studera.(私は勉強しなければなりません)
  • Du måste vara tyst.(あなたは静かにしないといけません)
  • Vi måste gå nu.(私たちはもう行かないといけません)

命令に近い強い表現なので、日常会話ではやや柔らかくする工夫も必要になる場合があります。

3-4. ska(スカ):〜するつもり、未来の予定

「ska」は、未来の予定や意思を表す助動詞です。英語の “will” や “be going to” にあたります。

  • Jag ska träffa honom imorgon.(私は明日彼に会うつもりです)
  • Vad ska du göra?(あなたは何をするつもりですか?)
  • Vi ska resa nästa vecka.(私たちは来週旅行します)

「計画していること」や「確定している未来の行動」を話すときに使います。

3-5. får(フォール):〜してもよい、許可

「får」は、許可や可能性を表す助動詞です。英語の “may” や “can(許可の意味で)” に対応します。

  • Du får gå hem.(あなたは帰ってよいです)
  • Får jag låna din penna?(あなたのペンを借りてもいいですか?)
  • Ni får inte röka här.(ここで喫煙してはいけません)

「〜してもいい」「〜してはダメ」という表現には欠かせません。

3-6. bör(ボール):〜すべき、助言・推奨

「bör」は、「〜すべきだ」「〜が望ましい」という推奨・助言的表現です。英語の “should” にあたります。

  • Man bör sova minst sju timmar.(人は最低7時間は寝るべきだ)
  • Du bör ta med dig ett paraply.(傘を持って行くべきです)

強制的な命令ではなく、「望ましい行動」をやわらかく勧めるときに使われます。

4. 否定文と疑問文の作り方

4-1. 否定文の形:主語 + 法助動詞 + inte + 動詞の原形

否定の副詞 inte(〜ない)は、法助動詞の直後に置きます。

  • Jag kan inte simma.(私は泳げません)
  • Vi ska inte gå dit.(私たちはそこに行かないつもりです)
  • Hon vill inte äta kött.(彼女は肉を食べたくありません)

英語のように “don’t” や “doesn’t” のような補助語は使わず、inte を置くだけで否定文が完成します。

4-2. 疑問文の形:法助動詞 + 主語 + 動詞の原形 ?

Yes/Noで答えられる疑問文は、助動詞を文頭に出すだけで作れます。

  • Kan du spela piano?(ピアノを弾けますか?)
  • Vill ni gå ut?(出かけたいですか?)
  • Ska vi börja?(始めましょうか?)

語順の入れ替えだけなので、疑問文の作り方もシンプルです。

5. まとめ

  • 法助動詞は、主語+助動詞+動詞の原形という語順で使います。
  • kan(〜できる)、vill(〜したい)、måste(〜しなければならない)、ska(〜するつもり)、får(〜してもよい)、bör(〜すべき)などが代表的です。
  • 英語よりも構造がシンプルで、語順の変化が少ないため、使いこなせると表現の幅が大きく広がります。
  • 否定文や疑問文の作り方も簡単で、初級者でもすぐに実践で使える文法です。
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