【スウェーデン語文法#16】前置詞の基本

スウェーデン語の文の中で、「どこに」「誰と」「何で」「いつ」など、動詞の情報を詳しく説明するのに欠かせないのが前置詞です。
前置詞は、名詞の前に置かれ、その後ろの名詞との関係(場所・時間・方向・手段など)を表します。
英語の in, on, to, with, about などとほぼ同じ役割を果たしますが、スウェーデン語にはスウェーデン語ならではの使い方や表現もあります。
このレッスンでは、使用頻度が高く、初学者が最初に身につけるべき前置詞とその使い方を、文法的な視点から解説します。
1. 前置詞の役割
前置詞は、名詞または代名詞の前に置き、文の中で「場所」「時間」「方向」「手段」などの関係性を明示する語です。
スウェーデン語の前置詞は、英語と同様に必ず名詞の前に置くのが特徴です。
- Jag bor i Sverige.(私はスウェーデンに住んでいます)
- Hon sitter på stolen.(彼女は椅子に座っています)
このように、前置詞句は文の中で「どこに住んでいるか」「どこに座っているか」といった情報を付け加える役割を果たします。
2. 前置詞+名詞の基本構造
スウェーデン語では、前置詞は名詞(または代名詞)の前に必ず置きます。
前置詞+名詞(句)はひとまとまりの情報として扱われ、文の中で場所や時間などを指定する役割を果たします。
- Han läser en bok i parken.(彼は公園で本を読んでいます)
例文の場合、en bok(本)が目的語、i parken(公園で)が前置詞句です。動詞 läser に「どこで?」という情報を補足しています。
また、語順により前置詞句を文頭に出すこともできますが、この場合は語順(動詞が2番目に来るV2ルール)に注意が必要です。
- I parken läser han en bok.(公園で、彼は本を読んでいます)
前置詞句を強調したいときや文の流れに変化を加えたいときには、このように文頭に出す用法が使われます。
3. よく使われる前置詞と例文
以下に、初学者が最初に覚えるべき基本の前置詞を紹介します。
英語と似た意味の前置詞が多いですが、使い方や位置には注意が必要です。
前置詞 | 意味 | 例文 | 日本語訳 |
---|---|---|---|
i | ~の中に | Jag bor i Sverige. | 私はスウェーデンに住んでいます。 |
på | ~の上に/~で(広い場所) | Boken ligger på bordet. | 本は机の上にあります。 |
under | ~の下に | Katten är under stolen. | 猫は椅子の下にいます。 |
över | ~の上方に | Lampan hänger över bordet. | ランプが机の上にぶら下がっています。 |
till | ~へ(目的地) | Vi går till skolan. | 私たちは学校へ行きます。 |
från | ~から | Han kommer från Norge. | 彼はノルウェーから来ました。 |
med | ~と一緒に/~で(手段) | Jag pratar med henne. | 私は彼女と話します。 |
utan | ~なしで | Kaffe utan socker, tack. | 砂糖なしのコーヒーをください。 |
om | ~について | Vi pratar om filmen. | 私たちは映画について話します。 |
4. 前置詞と動詞の結びつき
スウェーデン語では、特定の動詞と前置詞がセットで使われる慣用的な表現が多く存在します。
これは英語で言えば、 “think about”、 “talk to” 、“look at” などにあたります。
以下は代表的な例です:
動詞 | よく使う前置詞 | 意味 |
---|---|---|
prata | om | ~について話す |
tänka | på | ~について考える |
lyssna | på | ~を聞く |
titta | på | ~を見る |
vänta | på | ~を待つ |
vara rädd | för | ~を怖がる |
このような表現は、動詞と前置詞の組み合わせで1つの意味になるため、動詞とセットで覚えるのが効果的です。
5. まとめ
- スウェーデン語の前置詞は、名詞や代名詞の前に置かれ、文中で場所・時間・方向・手段などの関係を明示します。
- よく使われる前置詞には i(〜の中に)、på(〜の上に・〜で)、till(〜へ)、från(〜から) などがあります。
- 前置詞句は、文の中で柔軟に配置されますが、基本語順(主語+動詞+前置詞句)を守ると自然な表現になります。
- 動詞と前置詞の組み合わせは、意味を形成する固定表現として覚えていくことが大切です。