初級

【スウェーデン語文法#11】所有形容詞と所有代名詞の使い方

image
春乃
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

自分のものや他人のものを表すときに使う「〜の」「〜のもの」。スウェーデン語では、所有形容詞(min, din など)と所有代名詞(min, mitt, mina など)を使って表現します。

英語の “my / mine” に相当するこれらの形は、性(共性・中性)や数(単数・複数)によって形が変化するのが特徴です。

このレッスンでは、所有形容詞及び所有代名詞の基本とその使い方、注意すべきポイントを解説していきます。

1. 所有形容詞と所有代名詞の基本

スウェーデン語で「私の本」「彼の家」「彼女の自転車」など、誰かの所有物を示す表現をするときは、所有形容詞(min, din, hans など)や所有代名詞(min, mitt, mina など)を使います。

これらの表現は英語の my / your / mine / his / her に似ていますが、スウェーデン語では「名詞の性(共性・中性)」や「単数・複数」に応じて形が変化する点が大きな特徴です。

用語役割英語の対応
所有形容詞名詞の前に置いて「誰の〜」を示すmy, your, his などmin bok(私の本)
所有代名詞所有される名詞を省略して使うmine, yours, his などBoken är min.(その本は私のものです)

スウェーデン語では、所有形容詞と所有代名詞は基本的に「同じ形」をとります。

ただし、文中での役割や使い方が異なるため、区別して理解することが重要です。

使い分けのポイントとしては、どちらも「誰のものか」を表す表現ですが、所有形容詞は名詞と一緒に使い、所有代名詞は単独で使われるという違いがあります。

2. 所有形容詞:「〜の」として名詞の前に置く

所有形容詞は、名詞の前に置いて「誰の〜か」を表す語です。たとえば、「私の本」「あなたの犬」のような表現に使われます。

スウェーデン語では、所有される名詞の性と数に応じて形が変化します。

名詞の性と数で変化する例(1人称単数)】
名詞の性・数スウェーデン語日本語訳
共性(en-名詞)min bok私の本
中性(ett-名詞)mitt hus私の家
複数mina böcker私の本たち(複数形)

このように、「私の〜」という意味でも、所有するものが「本」なのか「家」なのか「本たち(複数)」なのかで、min / mitt / mina と形が変わります。

2-1. 所有形容詞一覧表

主語共性名詞(例:bok)中性名詞(例:hus)複数名詞(例:böcker)
jag(私)min bokmitt husmina böcker
du(あなた)din bokditt husdina böcker
han(彼)hans bokhans hushans böcker
hon(彼女)hennes bokhennes hushennes böcker
vi(私たち)vår bokvårt husvåra böcker
ni(あなたたち)er bokert husera böcker
de(彼ら / 彼女ら)deras bokderas husderas böcker
所有形容詞のポイント
  • 1人称・2人称(私・あなたなど)の場合、名詞の性と数によって変化します。
  • 3人称(彼・彼女・彼らなど)の場合は、名詞の種類に関係なく、形は一つだけです(hans, hennes, deras)。
  • たとえば、「彼の本」も「彼の家」も「彼の子どもたち」もすべて hans を使います。

3. 所有代名詞:「〜のもの」と、名詞の代わりに使う

所有代名詞は、名詞を省略して「〜のもの」と言いたいときに使います。

たとえば、「この本は私のです」「その家はあなたのものです」のように、名詞の代わりに単独で使う形です。

  • Den här boken är min.(この本は私のものです)
  • Är det huset ditt?(あの家はあなたのものですか?)
  • Barnen är våra.(その子どもたちは私たちの子どもです)

このように、be動詞 är の後ろで、所有代名詞が使われるのが典型的なパターンです。

3-1. 所有代名詞一覧

人称共性(en名詞)※単数中性(ett名詞)※単数複数名詞
jag(私)minmittmina
du(あなた)dindittdina
han(彼)hans(変化なし)hanshans
hon(彼女)hennes(変化なし)henneshennes
vi(私たち)vårvårtvåra
ni(あなたたち)erertera
de(彼ら・彼女ら)deras(変化なし)derasderas
所有代名詞のポイント

所有代名詞は、述語の位置(=文末)で使われることが多いです。

4. 文法的なポイントと使用上の注意

4-1. 所有者の性ではなく、名詞の性・数に合わせる

英語では「his book」「her house」のように、所有者の性を考慮しますが、スウェーデン語では、所有される名詞の性によって選びます。

  • min bok(私の本:bokはen名詞)
  • mitt rum(私の部屋:rumはett名詞)
  • mina böcker(私の本たち:複数形)

つまり、名詞の性と数を判断できることが、所有語の正しい使い方の前提になります。

4-2. 所有形容詞と所有代名詞を混同しない

次の2文はどちらも「私の本」に関する文ですが、使い方が異なります。

  • Det här är min bok.(これは私の本です)
    → 所有形容詞(名詞とセット)
  • Boken är min.(その本は私のものです)
    → 所有代名詞(名詞を省略)

5. まとめ

  • スウェーデン語の所有表現には、所有形容詞(名詞の前に置く)所有代名詞(名詞の代わりに置く)があります。
  • min / mitt / mina など、名詞の性(共性・中性)数(単数・複数)によって形が変化します。
  • 3人称(hans / hennes / deras)は、どんな名詞にも共通で使える定型表現。
  • 所有表現は 語順と使い方のパターンに慣れることがカギ。特に「文中=所有形容詞」「文末=所有代名詞」の違いに注意。
  • 所有される名詞が何かを正しく理解しておくことが、表現を使いこなす第一歩です。

記事URLをコピーしました