【スウェーデン語文法#7】スウェーデン語の動詞の現在形:活用の基本と使い方

スウェーデン語の動詞は、現在形・過去形・完了形など、時制によって形が変化します。
今回のレッスンでは、その中でも最も基本となる「現在形」の活用ルールと使い方を学びます。
現在形は「〜する」「〜しています」といった、今の動作や習慣的な行動を表すときに使われ、日常会話でもっともよく登場する時制です。
活用パターンは少数で比較的シンプルなので、基本をしっかり身につけておきましょう。
1. 現在形とは?
スウェーデン語の動詞の現在形は、今まさに行っている動作や、日常的・習慣的な行動、さらには一般的な事実などを表すときに使われます。
具体的には、スウェーデン語の現在形は以下のような状況で使われます。
- 現在進行中の動作を表す
Jag skriver ett mejl.(私はメールを書いています)
→ 「今まさにしている」行動 - 習慣的な行動・日常的なことを表す
Hon arbetar varje dag.(彼女は毎日働いています)
→ 毎日の習慣、ルーティン - 一般的な事実・不変の真理を表す
Vatten kokar vid 100 grader.(水は100度で沸騰します)
→ 科学的・普遍的な事実
英語では「I speak.」「She is eating.」のように、「現在形」と「現在進行形」に分けて表現します。
一方、スウェーデン語の現在形は、英語の「進行形」のような構造はなく、すべて1つの現在形で表現します。
このため、英語よりも構造はシンプルで、初心者にも習得しやすい時制です。
2. 現在形の動詞活用パターン:4つのタイプに分類
スウェーデン語の動詞は、不定形(原形)から現在形に活用させる際、以下の4パターンに分類されます。
-ar型:最も規則的で数が多い
このタイプでは、動詞の語幹に「-ar」をつけて現在形を作ります。語幹に変化はありません。
語尾が -a で終わる不定形の動詞に多く見られ、初学者が最初に学ぶ基本形です。
不定形 | 現在形 | 意味 |
---|---|---|
tala | talar | 話す |
studera | studerar | 勉強する |
jobba | jobbar | 働く |
-er型:語幹が変化する場合もある
こちらもよく使われるタイプで、語幹に「-er」を加えて現在形を作ります。
また、母音交替などの語幹変化が起きる動詞もあるため注意が必要です。
不定形 | 現在形 | 意味 |
---|---|---|
läsa | läser | 読む |
skriva | skriver | 書く |
dricka | dricker | 飲む (ほかの時制で語幹が変化 →過去形 drack、完了形 druckit) |
-r型:短い動詞に多い
語幹に直接「-r」をつけるタイプです。
不定形がすでに母音で終わっている動詞が多く、変化が少ないのが特徴です。
不定形 | 現在形 | 意味 |
---|---|---|
bo | bor | 住む |
tro | tror | 信じる |
må | mår | (健康)〜な状態である |
不規則型:主に基本動詞に見られる特殊変化
不定形と現在形の形が大きく異なる動詞です。
変化に規則性がないため、丸ごと覚える必要があります。
不定形 | 現在形 | 意味 |
---|---|---|
vara | är | 〜である(be動詞) |
ha | har | 持っている |
veta | vet | 知っている |
3. 動詞はすべての人称で形が同じ
スウェーデン語では、英語のように主語が三人称単数(he / she)になると動詞に「-s」がつく、というような変化はありません。
すべての主語で動詞の形は変わらず、現在形は一律に使えます。
たとえば以下のように、動詞 tala(話す)は常に現在形 talar のままです。
主語 | 文 | 日本語訳 |
---|---|---|
Jag(私) | Jag talar svenska. | 私はスウェーデン語を話します。 |
Du(あなた) | Du talar svenska. | あなたはスウェーデン語を話します。 |
Han(彼) | Han talar svenska. | 彼はスウェーデン語を話します。 |
Hon(彼女) | Hon talar svenska. | 彼女はスウェーデン語を話します。 |
Vi(私たち) | Vi talar svenska. | 私たちはスウェーデン語を話します。 |
Ni(あなたたち) | Ni talar svenska. | あなたたちはスウェーデン語を話します。 |
De(彼ら・彼女ら) | De talar svenska. | 彼ら(彼女ら)はスウェーデン語を話します。 |
まとめ
- スウェーデン語の現在形(presens)は、今の行動・習慣・事実を1つの形で表現できるシンプルな時制です。
- 現在形の活用には「-ar型」「-er型」「-r型」「不規則型」の4パターンがありますが、多くは規則的に活用できます。
- 主語によって動詞が変化しないため、語順を守れば簡単に文を作ることができます。
- よく使う動詞(är, har, veta など)は不規則なので、早めに覚えておくと会話での応用力がつきます。