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【初級①】スウェーデン語の語順:基本のSVO構造と語順の変化

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伊東 春乃
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スウェーデン語の語順は、「主語(S)+ 動詞(V)+ その他(O)」というSVO型を基本としながら、文の冒頭に何を置くかによって語順が変化する、独特のルールを持っています。

特に重要なのが、「V2語順(動詞第二位語順)」と呼ばれるルールです。

これは「動詞は文の2番目に来る」という原則で、たとえ主語以外の要素(時間・場所・副詞など)が文頭に来ても、動詞は常に2番目に置かれる必要があります。

このレッスンでは、基本の語順から倒置構文、学習者がつまずきやすい語順の変化まで、丁寧に解説していきます。

スウェーデン語の基本語順

スウェーデン語の語順は、文法的に最も基本となる形が SVO(主語+動詞+目的語) です。

英語と同様、語順によって「誰が」「何をする」「何を・どこで・いつ」を表すため、語順の正確さが非常に重要です。

なぜ語順が重要なのか?

スウェーデン語は、日本語のように助詞(が、を、に など)を使って文の役割を表す言語ではありません。

そのため、単語の順番が変わると意味も変わってしまいます。

たとえば:

  • Katten jagar musen.(猫がネズミを追いかける)
  • Musen jagar katten.(ネズミが猫を追いかける)

この2文は、単語自体は同じでも語順によって主語と目的語が逆転し、意味がまったく違ってしまいます。

基本文の語順

典型的なSVO構造の文は以下のようになります。

  • Jag skriver ett brev.(私は手紙を書きます)
    → 主語(Jag)+動詞(skriver)+目的語(ett brev)
  • Hon studerar svenska.(彼女はスウェーデン語を勉強しています)
    → 主語(Hon)+動詞(studerar)+目的語(svenska)

動詞の直前に主語が来る形がスウェーデン語の基本です。

動詞が必ず2番目に来るV2語順のルール

スウェーデン語には、動詞は文の2番目に来るというルールがあります。

これはV2語順(動詞第二位語順)と呼ばれ、ドイツ語にも共通して見られる特徴です。

つまり、文の最初に主語以外の要素(たとえば副詞・時間・場所など)を置く場合、主語と動詞の順序が入れ替わります。

文頭要素語順文例和訳
主語(通常)S + V + OJag läser en bok.私は本を読みます。
副詞(倒置)Adv + V + S + OIdag läser jag en bok.今日は私が本を読みます。
時間表現Time + V + S + OI morgon kommer han hem.明日、彼は家に帰ってきます。
ポイント

このように、「文の頭に何か別の要素が来ると、動詞が主語より先に来る」というルールは、「倒置構文」とも呼ばれます。

ただし、英語の「Are you 〜?」といった倒置疑問文とは異なるので、混合しないよう注意しましょう。

さまざまな語順パターンと例文

スウェーデン語では、文の冒頭には1要素だけを置き、それ以外の情報は後ろに回すのが一般的です。

以下に、よく使われる語順のパターンを整理してみましょう。

基本の語順(SVO)

  • Vi spelar fotboll.(私たちはサッカーをします)
  • Hon bor i Stockholm.(彼女はストックホルムに住んでいます)

時間や副詞が文頭に来る語順(倒置)

  • I morgon kommer han.(明日、彼が来ます)
  • Snart börjar filmen.(まもなく映画が始まります)

このように、主語以外の語句(時間・副詞など)が文頭に来ると、動詞が主語の前に移動します。

英語とスウェーデン語の語順の違い

英語では「第1文型(S+V)」から「第5文型(S+V+O+C)」までの5文型で文の構造を体系化します。

一方、スウェーデン語には英語のような「第◯文型」という文法的な区別はありません。しかし、実際の文構造は英語の5文型と類似しており、SVO・SVC・SVOO・SVOCなどの形も見られます。

スウェーデン語では「動詞が必要とする要素(目的語など)の数」や「語順」、「補語や目的語の種類」で文の構造を理解するのが一般的です。

語順によるニュアンスの違い

語順の変化は文法的な正しさだけでなく、文の焦点(何を強調するか)を変える役割もあります。

  • Jag såg filmen igår.(私は昨日、その映画を見た)→主語に焦点
  • Igår såg jag filmen.(昨日、私はその映画を見た)→昨日(Igår)を強調
  • Filmen såg jag igår.(その映画を、私は昨日見た)→映画(Filmen)を強調

重要な情報を文頭に置くことで、その部分に焦点が当たります。これにより、同じ内容でも聞き手に与える印象が変わります。

注意すべき語順のルール

スウェーデン語の文では、文頭に置けるのは一つの要素だけです。

「時間+場所+動詞」のように、2つ以上の語を動詞の前に持ってこないようにしましょう。

  • ◯:I dag kommer hon till skolan.(今日は彼女が学校に来ます)
  • ×:I dag i skolan kommer hon.
    → 動詞 kommer の前に「I dag + i skolan」が並んでいるため、文としては不成立。

まとめ

  • スウェーデン語の文は、主語+動詞+目的語(SVO) が基本語順です。
  • ただし、動詞は必ず文の2番目(V2語順) に来るため、文頭に副詞や時間表現がある場合は、主語と動詞が入れ替わります(倒置)
  • 文の語順は、意味や強調したい内容に影響を与えるため、語順を意識して使い分けることが大切です。
  • 文頭に置ける要素は1つだけ。主語以外を置くときは、動詞の位置を2番目に保つというルールを守りましょう。

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