北欧のスウェーデンでは古くから、ジンジャークッキーが伝統的なお菓子として食べられています。
特にクリスマスシーズンには定番の料理となっており、家庭ごとに独自のレシピが存在するほど、一般的なお菓子となっています。
今回は、ジンジャークッキーの魅力について解説していきます。
ジンジャークッキーとは?
ジンジャークッキーは、スウェーデンで古くから愛されてきた伝統的な焼き菓子の一つで、ペッパルカーコル(pepparkakor)と呼ばれています。
ジンジャークッキーという名前からも分かるように、生地にはジンジャーだけでなく、カルダモンやシナモン、クローブなどのスパイスが加えられます。
ジンジャークッキーは、サクサクとした軽い食感に、ジンジャーやスパイスのピリッとした刺激が特徴で、若干クセのある味わいが楽しめます。
甘いクッキーとは違い、大人が夢中になる味わいであると言えます。
同様に日本でも、生姜を使った料理が数多くあります。
例えば、寒い日や風邪を引いた時には、生姜とハチミツを溶かしたお茶を飲んで喉を潤して体を温める習慣がありますよね。
スウェーデンの極寒の中で暮らす人々も、同様に長年にわたり、ジンジャーが入ったクッキーを食べることで体を温めてきたのでしょう。
スウェーデンのクリスマスには定番のお菓子
日本ではクリスマスシーズンになると、七面鳥は(現在はほとんど見られませんが)食卓に並び、またクリスマスケーキも人気です。
同様に、スウェーデンでもクリスマスの定番料理というものがあり、今回紹介するジンジャークッキーもその一つです。
スウェーデンでは、クリスマスの日には家庭でジンジャークッキーを焼いて祝います。
12月の季節には、どこの家からも自家製ジンジャークッキーが焼ける良い香りが漂うと言われています。
また、各家庭ごとにジンジャーやクローブといったスパイスの配合が異なるため、その家オリジナルの味や風味のクッキー、いわゆる「家庭の味」が出やすいのも特徴です。
スウェーデンでは、他にもスパイスの1種であるサフランを練り込んだ「ルッカセット」というパンや、「グロッグ」と呼ばれるスパイス入りホットワインも一緒にテーブルを彩ります。
このように、北欧のクリスマスでは、体を温めて活力を与えてくれるスパイスを使用した料理がよく食べられています。
ジンジャークッキーのレシピ
ジンジャークッキーのレシピは、通常のクッキーの手順とほとんど変わりません。
常温に戻したバター、砂糖などの甘味料、水、卵、薄力粉とベーキングパウダーをボウルに入れて混ぜ合わせ、クッキー生地を作ります。
そして、クッキー生地を作る際にクローブやジンジャーといったスパイスを少量加えるのが、ジンジャークッキーのレシピの特徴です。
スパイスといえばカレーを想像する人も多いと思いますが、スウェーデンをはじめ北欧では、スパイスは幅広く用いられ、塩や砂糖と同様に基本的な調味料の1つとして扱われています。
肉料理や魚料理への風味付けはもちろん、お菓子作りでも生地にカルダモンを練り込んで調理するのが一般的となっています。
そして、スパイスを含む各種材料を混ぜ合わせた後は、味を馴染ませるために冷蔵庫で1時間から一晩ほど寝かせます。
ある程度時間を置いたら、めん棒で1mm〜3mmの厚さになるまで薄く引き伸ばします。
スウェーデンのジンジャークッキーは、アメリカなど海外で食べられている他のジンジャークッキーと比べて、より薄く生地を伸ばすのが独自のポイントとなっています。
クッキー生地を伸ばしたら好きな型にくり抜いて、最後に180℃のオーブンで15分前後焼き上げれば完成です。
ちなみに、クッキーの型としては動物型や星形、人形型など様々なものがありますが、北欧の伝統的なジンジャークッキーの型としては、古くから北欧で生活を共にしてきた馬が一般的です。
また、もう一手間加えるなら、ジンジャークッキーにアイシングを加えておしゃれにデコレーションしてみましょう。
アイシングとは、お菓子生地の表面に塗られるペースト状のクリームのことです。
目や口、模様などをジンジャークッキーに好きなデコレーションを施すことで、よりデザイン性の高いクッキーを作ることができます。
まとめ
北欧のスウェーデンで伝統的に食べられる、冬の寒さ厳しい時期にぴったりな焼き菓子がジンジャークッキーです。
ジンジャーやスパイスを使った料理を食べることで体を内側から温めるという、北欧の長い冬を乗り切るための知恵が詰まっています。