意味
“Tyhjät tynnyrit kolisevat eniten”(トゥイェット・ティンニュリト・コリセヴァト・エニテン) は、直訳すると「空の樽は最も音がする」という意味で、口先だけの人ほど騒ぎ立てることを示します。
物事や人の中身が伴わない場合、過剰に自己主張をしたり目立とうとする様子を皮肉っています。この諺は、「実力や知識が不足している人ほど、自分を大きく見せようとして騒ぐ」「内容のない人ほど、自己顕示欲が強くなる」ことを表すのに適しています。
例えば、知識が不十分な人が議論の場で声高に発言を繰り返す、自分の成果を過剰に誇示するなど、実力がないことを隠すかのように振る舞うことに対してこの諺が使われます。
日本語の「口先ばかり」「口だけ番長」や「空(から)の駄弁」が、このフィンランド語の諺と近い表現です。英語にも “Empty vessels make the most noise”(空の容器はよく響く)という表現があります。
成り立ち
この諺は、物理的に「空の樽を叩くと、内部が空洞な分、響きが大きい」という事実から生まれました。空の樽は、中身がない分、軽くて移動しやすいだけでなく、叩くと大きな音を立てる性質があります。
この特性を人間に当てはめ、「実力や知識のない人ほどよく騒ぎ、主張が大きくなる」という教訓的な意味が込められています。
また、フィンランドの文化では、実力や知識がある人ほど謙虚で控えめに振る舞うことが好まれます。そのため、この諺は内容のない言葉や過剰な自己顕示を戒める言葉として広く使われています。
まとめ
“Tyhjät tynnyrit kolisevat eniten” は、「空の樽は最も音がする」という意味を持つフィンランドの諺で、中身が伴わない人ほど騒がしく主張する様子を表しています。
これは、実直で謙虚であることを重んじるフィンランドの価値観を反映し、見栄や虚栄心に対する警告としても使われます。