【スウェーデン語文法#47】間接話法の基礎

スウェーデン語の会話や文章では、「〜と言った」「〜と説明した」というように、他者の発言や考えを引用する場面がよくあります。
これを「間接話法」と呼びます。間接話法では、元の発言をそのまま繰り返すのではなく、文の形や語順を変えて伝えるのが特徴です。
今回は、スウェーデン語の基本的な間接話法の作り方と注意点を解説します。
1. 間接話法の基本構造
スウェーデン語の間接話法の基本構造は、「主語 + 発話を表す動詞 + att + 引用内容」となります。
間接話法では、以下のようなパターンが使われることが多いです。
- Han sa att …(彼は〜と言った)
- Hon berättade att …(彼女は〜と話した)
- Läraren förklarade att …(先生は〜と説明した)
ここで使われる att は英語の that に相当します。「〜ということ」という意味を持ち、主節と従属節をつなぐ接続詞として機能します。
2. 直接話法との違い
直接話法では、発言内容をそのまま引用し、語順や時制も元のままにします。
- Han sa: “Jag är trött.”
(彼は「私は疲れている」と言った)
一方、間接話法では att 以下に引用内容が示されます。場合によっては動詞の時制も変化します。
- Han sa att han var trött.
(彼は疲れていると言った)
→ 動詞 är が 過去形 var に変化します。
スウェーデン語の間接話法では、接続詞 att の後は通常、SVO(主語+動詞+目的語) の語順になります。
3. 時制の変化と一致
英語の「時制の一致」はスウェーデン語でも発話の時点に合わせて動詞の形が変わることがあります。
現在形(直接話法) → 過去形(間接話法)
元の発言が現在形でも、引用するときに過去形に変わる場合があります。
- 直接話法 : Jag är sjuk.(私は病気です)
- 間接話法:Han sa att han var sjuk.(彼は病気だと言った)
未来形 ska(直接話法) → 過去形 skulle(間接話法)
未来を表す場合も、引用では skulle(ska の過去形)を使うことが多いです。
- 直接話法:Jag ska resa.(私は旅行します)
- 間接話法:Hon sa att hon skulle resa.(彼女は旅行するつもりだと言った)
これらの変化は、引用している発話がすでに過去の出来事になっている場合に自然に行われます。
ただし、現在の事実や普遍的な真理を述べている場合は、時制を変えずに現在形をそのまま使うこともあります。
4. 発話を導く動詞のバリエーション
間接話法を作る際には、säga(言う) だけでなく、場面に応じてさまざまな動詞を使います。
- säga(言う)
- berätta(話す、語る)
- förklara(説明する)
- påstå(主張する)
- fråga(尋ねる)
これらの動詞はすべて、主節側の動詞として使われ、引用される内容は att 節の中に収められます。
5. まとめ
- 間接話法は「主節(誰が言ったか)+ att + 内容」で作ります。
- att の後は基本的に SVO の語順。
- 発話動詞(säga, berättaなど)は主節、接続詞 att 以下に引用の内容が続きます。
- 動詞の時制は、発言の時点に合わせて変わることがあります(ska → skulle、är → var)。