【At gå over åen efter vand】川を渡って水を汲みに行く
意味
“At gå over åen efter vand” (ア・ゴー・オーヴァー・オン・エフテル・ヴァン)はデンマーク語の諺で、直訳すると「川を渡って水を汲みに行く」という意味です。この表現は、「手間をかけて無駄な遠回りをする」ことを示しており、近くで簡単に得られるものにわざわざ手間をかける無意味さを戒める表現として使われます。
すぐに達成できる方法があるのに複雑な方法を選ぶことや、実際には避けられる問題に多くの労力を費やしている状況を注意する言葉と言えます。
英語には同様の意味を持つ表現がいくつかあり、たとえば “Going around one’s elbow to get to one’s thumb”(肘を回って親指に到達する)、あるいは “Making a mountain out of a molehill”(モグラ塚を山にする)は、些細なことに大げさに対処する様子を表しており、”At gå over åen efter vand”と近いニュアンスを持っています。
日本語には「骨折り損のくたびれ儲け」「無駄骨を折る」といった表現があり、これも同様に無意味な労力をかける状況を示すのに使われます。日本の「灯台下暗し」とも意味が近いですね。
成り立ち
この諺の背景には、デンマークの地理的な特性や農村での生活があります。
デンマークには多くの川や水路があり、人々は長年にわたって水の供給に川を利用してきました。そのため、水は身近な資源であり、わざわざ遠くまで探しに行くものではないという意識が強かったのです。
身近にある水源を使わず、あえて遠くの川まで水を汲みに行く行為は、無駄で効率が悪いと考えられました。この状況が、効率的な手段を無視し、わざわざ難しい方法を取っている人を戒めるための比喩として定着しました。
使い方
現代では、”At gå over åen efter vand” はさまざまな場面で使われます。特に、ビジネスシーンでの効率性が求められる場面で、無駄な手順を踏んでいる人やチームに対して使われることが多いです。
例えば、簡単な方法があるにも関わらず、複雑な手順を踏んで時間とコストをかけるプロジェクトに対して、この表現が皮肉を込めて使われます。家族や友人の間でも、些細なことに大げさな準備や手続きを行う人に対して、軽いジョークとして使うことがあります。
まとめ
“At gå over åen efter vand” は、デンマークの文化に根付いた、効率性や合理性を重んじる考え方を反映した諺です。すぐに解決できる方法があるにも関わらず、無駄に労力や時間をかけてしまう人や状況に対して、皮肉や軽い警告の意味を込めて使われます。
この表現は、デンマークの日常生活や仕事の場面でよく使われ、身近なところにある解決策に目を向け、複雑で過剰な努力を避ける大切さを教えています。